スクリーンサイズについて

スクリーンサイズについて

以前、「スクリーンサイズの大きい物は良く熟したものであり美味しい。」と聞いた事が有ります。 

コーヒーの知識を深めていくと、それも一理あるが一概にそうとは限らず、美味しいコーヒーを追求する上で、スクリーンサイズ18以上などの大粒コーヒーに拘る事は、極端に効率が悪い事に気付きます。

 

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初めに断っておきますが、コモディティーコーヒーを生産する上でスクリーンサイズは重要であり、実際に高価格で取引されるのが現状です。

スクリーンサイズは品種により多少サイズが異なり、大粒の傾向であるという品種が存在します。(マラゴジッペ品種系は例外ですが) しかしながら比較してその傾向が有ると言うだけで、17/18以上のコーヒーが必ずしも出来ると言うわけではありません。

確かに生産者は歩留まりのよい大粒傾向にある品種を選んだり、育てようと努力はしているのが現実です。 例えばトゥピーと言う品種は大粒と言われておりますが、収穫機では落としにくく、木に残ってしまう問題が有り、もう一度収穫しなければならないという事が有ります。

また生産地域の土壌や気候により多少サイズが変わってまいります。(特に気候は重要です。)

さらに、生産者の肥料の加え方や給水のタイミング等々、多くの条件でサイズが異なり、サイズの問題に対し我々美味しさを追求する者にとって品種だけを特別意識する事はありません。

 

ご承知のように一本のコーヒーの木には様々なサイズが実ります。 セラード地域でのコーヒー栽培は以下の様な数字が、我々の経験上から感じているアバウトな数字でございます。

 

スクリーン18以上10%前後

 

スクリーン17が25%前後

 

スクリーン16が25%前後

 

スクリーン14と15が20%前後

 

スクリーン14未満10%前後

 

ピーベリーが10%前後

 

(合計100%)

 上記は農園で収穫されるスクリーンサイズの割合ですが、商品は規格毎に選別されますので、100袋のコーヒーが収穫されたとしても、スクリーン18が10袋前後を使用できると言うわけではありません。

 

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 以下、セラード地域の一般的な農園で商品化されるまでに、どのような選別を経てコーヒーが出来るかを、スクリーンサイズと照らし合わせ説明いたします。

 

水洗設備を完備する農園では一般的に高額で取引されるWashedの商品を作ることが可能ですが、だからと言って100%Washedにする事は出来ません。

比較的人件費の高いブラジルではコーヒーの収穫は1度に行うのが常識であり、全体的に熟しているタイミングを見計らって行います。

コーヒーの木は、どちらかと言うと上のほうなど(日当たりの良いところ)から熟し、下の方はゆっくりと熟します。 勿論、開花にばらつきがありますので、早いということもありますが。

全体的に熟したタイミングを待つと、上の方は完熟を経て木の上で乾燥が始まっております。

樹上で乾燥した物をブラジルではボイアと言い、収穫後に水に浮かせて選別し、Naturalとします。

一方で水に沈んだものの中から熟したチェリーをWashedとし、未熟をNaturalの中でも低級品とするのが一般的です。

この時点でWashedになるのが30%〜40%で、Naturalでボイアが約40%、未熟が約10%で合計80%〜90%ですが、残りの10%〜20%は収穫前に土に落ちてしまった物や収穫時に木の上に取り残した物などで、後から拾い集められ低級品のNaturalとなります。

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例えば農園からWashedを精選工場に100袋持ち込まれたと言う事は、上記の通りコーヒーの木では250〜333袋だった事になります。 その100袋のスクリーン比率は先に申し上げたように17/18が35袋であり、18以上となると10袋ということになります。

精選工場では、まず石や金属・ゴミを除いた後、スクリーン選別に掛けます。

その後、弊社の場合、商品規格に合わせて比重選別を何度も繰り返し、カラー選別となります。

売り先の希望にもよりますが、我々の経験上スペシャルティにするには精選によってスクリーン18は、80%程度まで少なくなります。 結果、100袋のコーヒー生豆からスクリーン18だと8袋ということになり、20フィートのコンテナ280袋を作るには約3500袋のコーヒーから精選する事になります。 これをコーヒーの木から考えると280袋には8,750〜11,667袋必要となります。 当然、まとまった数量を作るには、多くのロットから少しずつ集めていくしかありません。

セラードの大農園では単一農園も可能ですが、山岳地の農園から集める場合は幾つもの農園をミックスすることになり、ミックス前にどのロットが美味しいなどと言ってる場合ではありません。

 

 

上記の事からも味が優先されるスペシャルティの世界では、サイズが大きく味を左右しない限り、15や16が使用される事が多々あります。 

弊社では、「美味しいコーヒーだが何かが邪魔をしている」と感じた場合、スクリーン毎のカッピングをし、結果次第で15を除いたり、18を除いたりと混ぜないサイズもあります。

当然、年毎の違いはありますが、弊社のデータではセラード地域のコーヒーは17が一番美味しく、続いて16⇒18⇒15となっております。 付け加えてピーベリーは今迄のデータでも一番濃縮感が有り、美味しいと考えております。

しかしながら、これは欠点を全て取り除いた場合であり、一概に15や14が使えるわけではありません。 どうしてもスクリーンの小さい物は欠点が多いという問題が有り、これを取り除くには大きな苦労が有ります。

例えば弊社独自の欠点基準ではスクリーン15から取り除かれるコーヒーが50%を超えるのは当たり前で、取り残すことによるリスクを考えると慎重に扱わなければなりません。 逆にスクリーン18は欠点が極めて少なく優秀な豆ですが、弊社では味が良いという判断ではありません。

 

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ご存知の方もいらっしゃると思いますが、弊社では最初からスクリーンサイズに拘りが有りません。 2005年頃までは特に販売する上で苦労がありましたが、現在(2016年)では多くの方がスクリーンサイズの事をあまり気にしなくなってきていると感じます。 おかげさまでセラード珈琲と取引するお客様はサイズより味を重視していただいております。

 

通常、安定供給を考えたときにブレンドする事により一定の味を作り出しますが、弊社は混ぜる事を嫌いました。 その為、安定供給という問題をクリアする為に多くの農園に話し合いを重ね、わがままを聞き入れてもらい、規格に合わせてきました。 セラード価格表を見ていただくと分かるように、商品名は変わらないものの、生産者は年間を通して何度も変わる事がございます。 その為、お客様へはご迷惑おかけする事もありますが、試行錯誤の上、セラードはこのような方法を取っている事をご理解下さい。

 

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「セラードは農園から出るサイズの小さい物も売りたいだけなのでは?」 これはブラジル以外のコーヒーを買い付ける際は我々でも不審に思う事がありますが、セラード珈琲では味によって判断します。 サイズの小さい物が味を汚す事があればサイズを上げる事もあります。 同じロット内でスクリーンを混ぜる事はある程度の幅であれば差支えないと考えておりますが、弊社の価格表ではプレミアム規格(安い商品)ほどスクリーンサイズが大きいことが分かります。 これは、「多少の味が落ちる事と、ロットを混ぜる事をお許しいただけるのであれば、スクリーンサイズは大きくする事が可能です。」という主張も含まれております。 このような商品はブレンドやセールの企画品としては非常に優れた商品で弊社の人気商品として取り揃えております。

 

2016年4月20日 萱間

 

 
 

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